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リッチブラックで黒の表現に幅を

投稿日時:2017-10-03 16:24:08

フルカラー印刷をする時、CMYKの4色のインクで表現します。このうち「K」はブラックのインクを指しますが、実は「K100%」は完全なブラックとは言えません。

印刷物において「K100%」、いわゆるスミベタで印刷されたものは、非常に濃い黒に近いグレーのようになってしまいます。透明感のないまさに「真っ黒」という表現は、黒インクだけでは実は難しいのです。しかも1色だけのインクを広範囲に使用すると白抜けが発生しやすくなります。そのため、印刷物で黒の表現を行うときはスミベタは使用しないのが一般的です。

そこでより仕上がりを純粋な黒に近づける方法として「リッチブラック」があります。リッチブラックとは「C40% M40% Y40% K100%」の4色混植によって表現する黒です。K100%に加えてCMYのインクを一定量混ぜることで、より深みのある黒の仕上がりになります。

4色全てを100%にしてしまうと、インクを大量に消費するために乾きが遅くなり、印刷後の紙がくっつく「ブロッキング」の原因となります。このリスクを防ぎ、かつ重厚感のある黒を表現できるのがリッチブラックなのです。

ただし、4色のインクで黒を表現するため、精細な文字などに利用するとにじみが出る可能性もあります。細かい文字や図案などを表現する場合は、スミベタの方が適している場合もありますので注意しましょう。

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